蠟花「やぁ神原選手」

なぜか蠟花が教室にいます。

駿河「お前、私の左腕を奪ったな!」
蠟花「回収してあげたんだよ。いや、収集かな」

放課後、体育館で再び。

蠟花からワンオンワンを申し込まれました。
駿河は受けて立ちます。


新しいカラダのバランスに慣れていないのか、蠟花に押されっぱなしです。


完全に振り切ったはずなのに、

なぜか追いつかれてしまう。



ひとしきりボールで語り合ったあとは……お互いの事を語り合います。

蠟花は駿河の百合気質に気づいていたようです。

チームメイトや他校の選手を怪しい目で見ていた、とw

蠟花「ちゅーしよっか」




カラダが動かない駿河。

それとも逃げられないのではなく逃げないのかな?




ほっぺにちゅっと♪

騙されたっ

そのあと蠟花はダンクを決めてしまう。

蠟花の身長で、怪我をしているはずの足でなぜ……
駿河「!」

そこで蠟花は収集した左腕を見せる。

さらに……

左足が……

悪魔の足になっていた。

蠟花「だけど神原選手。私が肉体に抱える悪魔はこれだけじゃないんだぞ」

そうして蠟花は自分を語り始める。

蠟花には運動の才能があった。
小学生のときはサッカー選手だった。
そこでやりすぎてしまった。
男子の中に女子が混ざってしかもぶっちぎってしまって嫌われてしまった。

どうして世の中には才能のある人とない人がいるのだろう。
そこで才能を隠すことにまい進した。派手なことをせずディフェンスに専念することにした。
バスケを選んだ理由は特にない。サッカーが足だから次は手くらいの理由。


そんな動機で始めたものだから天罰が下って左足を失ってしまった。

そこで気づいてしまった。バスケが好きだったことに。
そして私は不幸になった。
学校をやめた。親に頼んで引っ越してもらった。

引っ越す前のこと。
不幸の収集の発端となる出来事があった。

友人が病室に尋ねてきて悩みを相談してきた。
なぜ蠟花だったのか。蠟花が自分よりも不幸で不遇な存在だったから。


私は彼女の話を聞いてしっかり慰められてしまった。

他人の不幸は蜜の味。
私の他にも大変な人がいる、という思いは私の心の傷をいやしてくれた。

それに気づいてからは彼女の苦しみをどうやれば聞き出せるのか考えた。

蠟花「私はその日彼女を送り出すにあたって「君の悩みは全部わかったよ」といった。これは嘘じゃない」
蠟花「そして続けてこういった。「その悩みを私が解決してあげるからもう何にも心配しなくていいよ」…こっちは嘘だ」

それからしばらくしたあと。
退院直前に彼女がやってきた。
「ありがとう」と満面の笑みで言ってきた。

蠟花「これが私の言う、時間が解決してくれたということのわかりやすい例だよ。彼女が悩みを私に託して悩むのをやめている間に問題は勝手に解決しちゃったということさ」

蠟花「私は彼女の悩み事をおいしく聞いた。そして癒された。彼女は格下だと見下している私に気兼ねなく悩みを相談した上にその悩みを私に託することで悩みから解放されしかも悩みは時間が、彼女から見れば私が解決してくれた。これは誰も困っていないよね。というよりみんな救われている。人助けもできて私の傷も癒される」

蠟花「私はすぐに決意したよ。それをこれからの生きがいにしようと心に決めた」
蠟花「不幸の収集家(コレクター)、沼地蠟花の誕生さ」


駿河「まだ半分だろ。悪魔のパーツを収集するようになったきっかけをまだ私は聞いていないぞ」

蠟花「続けるよ。私と悪魔のなれそめを。言っておくがこの不幸話は聞いて慰められることはないぜ」

駿河「今更」

いよいよどのようにして悪魔のパーツコレクターが誕生したのかが明かされる。
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